ご覧いただいている作品は、シュトルツ作曲の「春のパレード」(ドイツ語原題:Frühjahrsparade)のリメイク、1955年に再度ドイツで公開されたDie Deutschmeisterという作品です。オリジナルの「春のパレード」(ドイツ語原題:Frühjahrsparade)は1934年にGéza von Bolváry が監督をし、主演を Paul Hörbiger、Franciska Gaal とWolf Albach-Rettyが務めたコメディ映画です。この映画はGaalが契約していたUniversal Picturesのドイツにある子会社が制作しました。しかし、ナチスが実権を握ったことにより、Gaalなどの映画に関係している人たちの中にユダヤ人がいるということで、撮影はブタペストとウィーンで実施せざるを得なくなりました。映画のセットは美術監督のEmil Haslerによってデザインされました。なお、1940年にこの映画はハリウッドでSpring Paradeとしてリメイクされました。映画脚本家のErnst MarischkaとプロデューサーのJoe Pasternakはどちらの映画にも携わりました。
あらすじ
この明るく愛らしいロマンチックなミュージカルは、1人のハンガリー出身の女性マリカがハンガリーの郷里で、ウィーンフェアに出かけ、そこでジプシーの占い師から占いのカードを買うところから幕を開けます。そのカードによれば、彼女はとても大切な人に出会い、幸せな結婚が運命づけられているとのことでした。その後マリカはウィーンでパン屋のアシスタントとしての職を得ました。そのパン屋は皇室御用達のお店でした。そうこうするうちに、密かに作曲家としてそして指揮者として有名になりたいと夢見ているハンサムな軍楽隊のドラマーと出会います。かわいそうに、軍楽隊は若い隊員に自ら作曲することを禁じていました。しかしマリカはこっそりとオーストリア皇帝に、若い隊員が作曲したワルツの楽譜を、皇帝が毎週注文するパンに練り込んで送りつけました。彼女のその行動はジプシーの予言通り、喜びに満ちた人生を実現する道を切り開きました。